2007年3月18日日曜日

船の旅~隠岐・海士町にて

今や全国の地域づくりに携わる人々から注目されている隠岐,海士町を視察してきました.

3月14日,米子空港から境港にバスに出て,隠岐汽船フェリーしらなみ号に揺られて西ノ島町別府港へ.いや~,揺れました.抱えている原稿を少しでも進めねばと思ったのですが,とんでもない,ひたすら寝てました.

ちなみに,境港は鬼太郎のまちで売り出し中.境港の駅前を歩いていたら,ネズミ男が通り過ぎたり,ちょうど駅には鬼太郎電車(?,鬼太郎やら猫むすめの絵が描いてあった)にこどもたちが乗り込んだりしていました.ついでに,これ,ペットボトルの水も,鬼太郎.キャップは目玉の親父です.

別府から小型船に乗り換えて海士町の菱浦港についたのは夕方.吉元課長に迎えられ,3セクのホテル,マリンポートホテル海士にチェックイン.今ひとつの天気であったが,部屋の窓から,雲の切れ間から美しい夕日の光景.


夜は,山内町長や隠岐支庁の石川課長を交えて懇談.山内町長には初対面という気がしないのも,コンテンツにたどり着くまでアニメでこれでもかと現れる町のホームページのせいでしょう.

翌15日は,午前中,町役場の裏の公民館で,吉元課長から町の行革や人間力推進プロジェクトのお話を伺う.吉元さんは,財政課長であると同時に,同プロジェクトのリーダー.公民館がいわば分庁舎になっており,プロジェクトは財政課・福祉課・教育委員会が所管している.小さな所帯ならではのフラットな組織を活かした取組でしょう.ちょうど,中学校の卒業式の日,実は吉元さんのお子さんも卒業式にもかかわらずご対応いただき,誠に誠に感謝.式直前に私や石川さんも一緒に滑り込み,拍手で卒業生を送り出しました.20名少々の卒業生,都会育ちで30年近く前に中学生時代を過ごした眼から見れば,これが人口減少,過疎に悩む離島の光景なのだと実感.

昼は,都会からのIターン組,若きリーダー岩本悠君とばったりお会いでき,菱浦港にあるキンニャモニャ・センターのレストランで,歓談しながら食事をとる.世界をめぐり,NGO活動や大企業にも勤めていただけあり,名前通りのゆったりした構えと芯の強さを感じられ,こうした若者を惹きつける島の魅力を再認識.私はといえば,どちらかというと食べ物で引き寄せられる派,つなぎなし100%の隠岐そばとさざえカレーを両方とも食すことができ,大満足(はっきり,今回のたびでは太りました).

午後は,まず,超話題のCAS凍結センターを訪問.冷凍庫やら作業上などを拝見する.ちなみに,私もおみやげに白いか,イカの塩辛,イワガキなどを買い,自宅で食べましたが,お世辞抜きで鮮度抜群.白いかの刺身は,醤油なしで食べても甘く,一番大きなサイズのを買えばよかったと後悔しました.

そのあと,隠岐牛ブランドとして東京市場で高い評価を得たと評判になった,潮風ファームにお邪魔.月10頭を出荷するまでの苦労,今後の展望などのお話を伺った.つづいて,海士御塩司所,製塩所ですね.伝統的な製法で創られる施設を見学.海水を竹につたわらせて風と太陽で濃度を上げるというのはビックリ,しかも,夏場よりも風の乾いた冬場のほうがより早く濃度を上げられるというのはさらにビックリ.写真は天日干しをする施設.

さらに,そのあと,エコツーリズム隠岐自然村を訪問.わざわざ深谷さんにお越しいただき,隠岐の自然保護の話や隠岐自然村で事業展開する自然体験のツアーなどについてお話を聞く.

隠岐は島前と島後に分かれ,島前は海士町のある中ノ島など3つの島から構成される.中ノ島と知夫里島には天然のわき水があり,ここ海士町では,行基が開いたとされ,名水100選に選ばれている,天川の水がある.
というわけで,非常に充実した隠岐の視察の旅でした.いろいろな人にお世話になりました.この場を借りて感謝します.