2008年3月31日月曜日

Notice:八王子市市民参加条例 可決

八王子市市民参加条例(条例案はこちら)が,3月27日可決されました.予算案との一括採択のため,与党会派系ともいえる保守系の賛成多数,条例制定に積極的であった,いわゆる市民派や革新系は反対に回るという,〝ねじれ〟だったようですが,反対票を投じた会派からも評価を得ているとの声を耳にしています.かつて八王子市市民参加のしくみづくり検討委員会座長を務めたものとしては,これで肩の荷が下りた気分です.

2008年3月30日日曜日

Be with you

♪さくら舞う この道を
 あなたと並び歩いている
 風はまだ肌寒い♪
   (song by BoA)

その通りとても冷えましたが,〝知事と議会の3つの約束〟関連の執筆でたまった疲れは,花見@林試の森公園で吹っ飛びました(ついでに,去年より2週間以上早く,オタマジャクシを観察.参照@E.S.P.: TADPOLES!).

花見といっても今日もお酒は控え,ようやく見る機会を得たChick & HitomiのDVD収録「アランフェス協奏曲/スペイン」に,存分酔いました.
 

2008年3月29日土曜日

もう一度味わいたい~続おいらせ再訪(八戸編)


と,書いていいたところ,佐藤さんからのメールに気づきました.
まずは,前のブログで書いたタコ(たこ焼き)です(photo by佐藤).

そして,次は,まつかわです(by近藤).
下は,アイナメの昆布じめです.どれも絶品です(by近藤).







自治基本条例談義~おいらせ再訪

祝 自治基本条例制定!ということで,おいらせ町にて職員向け講演をしてきました.

二日にわたる入れ替え制で,異動内示発令直後の慌ただしいなかでのことです.話をしながら表情をうかがっていると,これまで理念としては語られながらも,いざ自治基本条例に文言上規定されてしまうと,身構えてしまうところもあれば,条例内容と自ら担う実務との距離を測りかねているところもあるという印象を濃厚に受けました.でも,自治基本条例を制定した以上,こうした緊張感を持続させ,自ら答えを考え抜き,職場で相互に検討して,町民起点の行政を進めてもらいと思います.まさに条例にもあるように,「総合的」に考えるチャンスを得たのだと前向きに捉えるべきでしょう.ただ条例を作っただけという少なからぬ自治体の轍を踏まぬよう奮起を期待しています.

で,初日夜は,前回は時間の関係でいけなかった八戸の連鎖街(面白いネーミングですね)にある,佐藤さん行きつけのお寿司屋さん,北浜で,東京ではお目にかかれないような数々のネタをいただき至福の時を過ごしました(ケータイの電源が切れかかり,写真を撮れなかったのが残念!佐藤さん,近藤さん,よろしければご提供を).生のタコを軽く炙って塩を振りかけたお通しからしてよかったですからね.大将のお客いじりもツマに,五穣もついついすすんでしまいました.

カウンター席で両手に花(吉田さん,近藤さん),そして佐藤さんと4人で食べながら自治基本条例の話をしていると,カウンターの向こう端から声をかけられました.その方は五戸の出身で,千葉県は鎌ヶ谷市の自治基本条例の研究会で条例制定を検討していたが,結局まだ実現していないとのこと.鎌ヶ谷市の予算案が否決されたやら,ちょうど私も先月政令市シンポをしていただけに,うまい鮨を食べながら,大いに盛り上がりました.

見知らぬ土地の鮨屋のカウンターで自治基本条例談義をする時代になったのですね.感慨深いものがあります.

さて,最後に.リーダー塾の浅川さんからブログには写真をつけろとの指示ですので,2日目講演前に立ち寄った日本一の大イチョウ(樹齢1100年以上!)を載せましょう.

2008年3月26日水曜日

夜桜に酔う

2,3分咲きかと思われた桜が今日の暖かさに誘われて一気に開花.スタジオ入り前の内堀通り,車窓からの青山通り,外苑東通り,そして研究会前後に通りがかりの日比谷公園では夜桜を楽しめました.最近ちょっと酒量が制限オーバー気味ですので,今晩は夜桜に酔うにとどめました.

が,ちょっと酔えないのが,都議会の展開.予特最終日は1時間45分ぴったりの開始時間遅れ,予想通りに付帯決議で〝与党〟会派が賛成,〝野党〟会派が反対.都議会の論戦を通じて,何が解明され,どのような建設的なプランが提示されたのか,都民にはまったく理解不可能だったでしょう.先日の「とちょうi」に根拠本位の政策形成を!と書きましたが,虚しいかぎりですね.

付帯決議を踏まえて,どうやら四半期ごとの経営状況の報告がなされるようですが,是非そこだけは(これまでとはまったく違って)しっかりしてもらわないと,来年に都議選を控えて,議会を含めて都政全体が密室化しているとの批判を招きかねないことは肝に銘じて欲しいところ.

ところで,本日のMXTVの都議会中継は生.普段のスタジオが中継延長が予想されたため使えず,ニュース用のオフィス内の狭いスタジオを使ったのですが,周囲は報道やいろいろな方々が絶えず行き来.どこかで見たことがあるきれいな女性がいるなあと思ったら,女子アナたち.仕事がら,高齢化の著しい役所の職場を見慣れている眼からすれば,若い人たちが活き活きと働いており,別天地のよう.予定時間より大幅遅れた開会の合間も十分楽しめました.

2008年3月25日火曜日

炭坑の街:夕張,そして穂別へ










千歳空港から約1時間半近く経ち,ようやく夕張市街地に入りました.途中,3月末ともなれば山肌がところどころ露わとなった雪山や,繰り返しわたった夕張川は,悠然とした自然を感じさせるとてもよい景色なのですが,街の随所に,現在の夕張市の厳しい現状を感じさせる光景が見て取れたのも事実です.

今回の旅は,むかわ町穂別地区の地区協議会の視察&アドバイスがメインでしたが,その前に,夕張市に立ち寄ったのです.空港に迎えに来ていただいた,むかわ町の山岡さん,東さんとともに,夕張市役所に立ち寄り,事前にお願いしていた,都派遣職員の百沢さん,鈴木さんと市役所近くのそば屋で,ボリューム満点のカレー蕎麦をすすりながらお話を聞かせていただきました.

二人とも,若いながらも(20歳代),とてもしっかりした職員で,着任2カ月のあいだに,都庁とは180度異なる世界をしっかりと体験し,学び,この地域に貢献しているようで,頼もしい限りでした.百沢さんは,都立大出身(経済学部卒)ということもあって,立ち行かなくなった近場の市の施設(例えば,農産物加工処理場のメロン城など)や炭坑住宅などを案内していただき,貴重な昼休みの時間を私のために割いていただきました.この場を借りてお礼を申し上げたいと思います.

写真(左,市役所前)でも分かるように,道の端には高々と雪が積まれています.この量の多さに,むかわ町の山岡さんも東さんも驚かれていました.むかわ町は,夕張市の南に隣接するのですが,海に面した土地だけにこれだけ雪が降ることはないとのことで,同じ北海道でも,随分と気候が違うということが分かります.因みに,市役所のすぐそばの民家が,雪の重みでつぶれてしまい,その撤去作業がされている現場も見ました.

写真右は,北海道物産センター夕張店に立ち寄ったとき,東さんが買われた石炭シュークリーム.石炭の味(?)は分かりませんが,メロン味のクリームはなかなかいけます.お店のおばちゃんが言うとおり,イカスミと違って,確かに,口は黒くなりません!

夕張を経由して,昨年11月以来ぶりに,むかわ町穂別地区に入り,夕方5時からの地域協議会に参加しました.これまで議論してきた今後の取組み方針を詰めるというのがメインテーマで,長らく町議を務められ,住職でもあられる久保田会長のユニークな会議運営のなか,委員からしっかりした意見が次々と出され,美しいまちづくりをテーマにまち歩きやマップづくり,地域での交流をテーマとした目に見える活動を4月に行うことがしっかりと決定されました.

そして,会議終了後,委員のお一人である高野さんのレストランcafe木蓮にて懇親会.ますます絶好調の久保田会長をはじめ,高野さんの素晴らしい料理を堪能し,楽しい会となりました.木蓮は,昨年穂別に来たときも昼食をいただいたのですが,豚の角煮をはじめとして料理がおいしいだけではなく,とてもおしゃれなお店.おすすめです(またもや写真を取り忘れたのは大失敗).

そして,本日は,朝から,昨晩も随分とお酒を酌み交わさせていただいた,横山副町長,東さん,山岡さんに合併後の穂別地区の合併後の地域づくりの取組みについてお話を伺いました.昨日は,人事異動内示というご多忙の中でしたが,貴重な時間を割いていただきました.

そして,最後.山岡さん,今井さんに空港まで送っていただく途中,昼食に立ち寄ったのが,そば哲.辛味そばをいただきましたが,久しぶりに香り立つそばを味わいました.

2008年3月24日月曜日

石見をゆく(その2)

匹見町では旧町役場でヒアリングを行ったあと,町内を案内していただきました.まだ冬期で道がちょうど翌日まで閉鎖のところもあり,集落が集団移転したところまでいけなかったのは残念でしたが,雨の中,清流を眺めながら山道を車で上っていくと,自然の豊かさと裏腹な厳しい実情がよく分かりました.

午後は,匹見上公民館で,県のリーディング事業を受けたプロジェクトで地区単位での地域づくりの取組みを,2つの地区について,それぞれ担当された職員の方々からご説明いただきました.それから,海士町をはじめとする,匹見以外の地域の県リーディング事業の方々にわざわざお集まりいただき,3つのプロジェクトについては最終年度,2つについては折り返し点でのご報告となりました.

いずれの取組みも,キー・ワードは,《環境》《健康》《交流》と集約されるもの.ライフ・スタイル提案型の事業であるだけに,その価値観を地域外の,特に都市の人々にどれだけ売り込めるかが勝負.そのためには,それぞれの地域の人々がその価値観をきちんと自ら体現する必要があるのでしょうね.





夕食の懇親会は,誰もが楽しみにしていた,萩の会の「萩の舎」でのお食事.地元産の食材を,地元のおばちゃんたちが料理してくれます.焼いたヤマメを2匹もいただき,山菜の天ぷらもおいしくいただきました.椿の天ぷらもよかったですね.下の写真は,齋藤さんから山菜の説明を受けているところです.






2008年3月23日日曜日

品川アクアスタジアム再訪

エプソン品川アクアスタジアムに久しぶりに訪れました.ちょうど餌やりの時間で,ノコギリエイ(ドワーフソーフィッシュ)が魚やイカをノコギリの部分で操って,下に着いている口で食べられるようにしているところが観察できました.ちなみに,ドワーフソーフィッシュはここアクアスタジアムが世界唯一の展示だそうです.

イルカ,アシカのパフォーマンス・ショーも見ました.イルカ・ショーは海水かぶりを売りとするのもちょっと,という気がしますが,体の雰囲気を盛り上げるためなのでしょうか,イルカ・ショートとは直接関係のない演出はやり過ぎでは,もう少し工夫をして欲しいかなというのが率直なところでした(少なくとも,あまり前に立たれると,肝腎のイルカが見にくくなりますので,そこはなんとかしていただきたいものです).

2008年3月22日土曜日

南大沢だより

ここ二日冷たい雨が続きましたが、キャンパスのこぶしの花は健在.今日は本年度最後の行政学研究会です.それにしても花粉がひどい!

2008年3月17日月曜日

Notice:祝 ランク・アップ

「とちょう-i」掲載の拙稿「東京発大都市研究 事始め(下)」(3月10日号)が今週のアクセス第2位に!前週に続いてのランク・イン,そして,ワン・ランク・アップ!

こんなことで喜んでどうする?いえ,いえ,ありがたいことです.でも次の原稿の締切りが迫っています...

2008年3月16日日曜日

天空の月 菜の花

今週の駒沢公園.菜の花が心地よい春の気分を誘います.

2008年3月15日土曜日

石見をゆく(その1)

県庁の地域振興室長の松村さん,木戸さんとともに特急おきで浜田へ,そして浜田から車で益田へと島根県を横断しました.写真は車中で食べた「およぎ牛」弁当です.隠岐で,牧草のある島に牛を泳がせていることから「およぎ牛」というそうです.

さて,最初に訪問したのは,益田市種地区.益田市では合併後,公民館を振興センターに衣替えしましたが,種地区でセンター長をされている渡辺さんに,センターや「種のあすをゆめみる会」の活動についてお話を伺いました.

UIターンを誘導するために宅地造成をしたり,廃校になった学校を利用して農産物加工施設を作ろうとしたり,すばらしい発想力と実践に結びつける卓抜な手腕に感服しました.









写真は,種振興センター(左)とその前の道路を挟んだところにある宅地造成地(右).すでにIターンの方がすんでおられる区画もあります.そのお子さんたちも引っ越してくるとのこと.

みそと豆腐の加工施設を空き教室を利用して作ろうとしたところ,別々の部屋にしなければならないと保健所の指導が入り,壁が作られたところ(下).包装の部屋も別にしなければいけないとのことです.

次に訪れたのが,吉賀町.国道9号で津和野を経由してまずは,旧柿木村に入りました(@柿木庁舎).

吉賀町では,合併前からの有機農業を中心とした取り組みを合併後のまちづくりのなかで発展させようとしています.産業課長の福原さん,県庁派遣の三浦さんからお話を伺いましたが,都市との交流を推進するなど,大変興味深いお話で,吉賀から人間的な生活とはなにかを提起する試みといえます.あらためて訪れ,実際に体験プログラムに参加してみたい!と思わせるものでした.郷土料理のレシピ集はぜひネットに掲載するなど,食材とあわせて広く提供していただきたいものです.

ヒアリング後は,旧六日市町入りし,吉賀町の政策企画課の皆さんと懇談.地元産のヘルシーでおいしい料理とお酒に舌鼓を打ちながら,前の晩に続いてまたまた大いに盛り上がりました.

宿は,むいかいち温泉ゆらら.朝風呂でさっぱりとし,いざ,匹見へ.(つづく)

2008年3月13日木曜日

日付は変わって・・・松江来訪

昨日夕方より,開府から400年の歴史を誇る松江に参りました.県職員の方々が懇談の場を設けていただき,こちらに参るといつもながらですが,結局日付が変わるまで,自治について,過疎等条件不利地のあり方などについて熱く語り合いました.みなさん,ありがとうございます.

中山間地や離島の現況を耳にすると,今東京で一生懸命に議論していることは,いったい何なんだろう,と思えてしまいます.定かでない根拠の元に莫大な金の投入がされようとしている東京と,生活の,生存の根拠さえ脅かされようとしている地域と,行きつ戻りつしながら思考を深めたいと思います.

2008年3月12日水曜日

Notice:日付は変わらず・・・

都議会予算特別委員会初日の総括質疑が11日行われました.〝紛糾〟が〝予想〟(予定?)されたのですが,これといった混乱もなく,夜10時半に終了.それから,リハ,収録で,かろうじて日付の変わらないうちに帰宅.

ということで,MXTV東京都議会中継12日(水)13時から放送で,最後の方で私もでます.

それにしても,新銀行400億円追加支援の審議はこれでよいのでしょうか・・・

2008年3月10日月曜日

Notice:都議会の焦点

今晩19:30からMXTV「都議会の焦点」が放送されます(再放送は明日朝8:30から).

いつもながら,噛んだり,フリップを変えるタイミングが悪かったりですが,どうぞお許しを.

下の写真は前回収録時に,松島さんに撮影していただいたもの.多くのスタッフに支えられて放送が成り立っていることに感謝いたします.









収録の合間に古賀久美子アナと談笑.

Notice:御礼 上位ランクイン

「とちょう-i」に拙稿「東京発大都市研究 事始め(下)」が掲載されました(前回の続編です).

また,大変ありがたいことに,「先週のアクセスTop5」で見事第3位!多くの方々にご覧いただけたことを感謝いたします.

2008年3月9日日曜日

花は梅 春はうららか

久しぶりに駒沢オリンピック公園に行きました.梅林が見事でした.花見客で賑わっているのをはずして撮った携帯写真なので,ちょっとアングルが変ですね.

原稿締切りの波状攻撃に少々参っていたところでしたが,ぽかぽか陽気,ちょっと砂煙を巻き上げる春風,咲き誇る梅林,軽く流した爽やかな汗,でいい気分転換になりました.

それから,まさかこんなところでといっていい,高校時代の旧友にばったり会いました.確か大学卒業後に,地元で偶然あった記憶があるので,20年ぶりぐらいでしょうか.私の方が気がついたのですから,自分でも驚きです.

2008年3月4日火曜日

Notice:「とちょう-i」に「東京発大都市研究 事始め(上)」掲載

都庁職員向けサイト「とちょう-i」の「クローズアップ都庁」に拙稿「東京発大都市研究 事始め(上)」が掲載されました.どうぞご覧下さい.なお,「(下)」は一週間後に掲載予定です.

「とちょう-i」サイトは,こちら

2008年3月1日土曜日

METRO-VIEW:バレンタインはグリーン・チョコ,ホワイト・デーは?

バレンタイン・デーの2月14日,緑色のチョコレートこそ配られなかったが,かわりに,第1回「緑の東京募金」感謝状の贈呈式が行われた.知事賞(募金額300万円以上の団体,100万円以上の個人)が2団体に,局長賞(募金額100万円以上の団体,30万円以上の個人)が3団体に,特別賞(特に募金への貢献が認められるもの)が5団体と1個人に,それぞれ授与されたのである.

私は2月のはじめに東京都の管理職候補者向けの研修講演を行う機会があった.そのなかで,「緑の東京募金」の趣旨はよいことだし,都庁のベスト・プラクティスと胸を張れるぐらいにすべきだとエールを送ったが,あわせて,注文もつけた.

単なる募金集めにとどめるのではなく,例えば,東京のヒートアイランド現象の一因でもある臨海部の高層ビルの建築業者やその他環境負荷をかけている企業が全面的な支援を表明したとか,臨海部に林立している高層マンションに居住する住民も募金していますよとか,それぐらいの宣伝をできるぐらいまでに盛り立てていかないと,都民に共感を呼ぶムーブメントになるわけがないと.

その数日後,件の感謝状制度が創設された.とすると,私の提案が即採用されたことになる,わけがなく,私の思いつき程度のことは当初から準備されていて,偶然,タイミングが重なっただけに違いない.

もともと希望者には募金者氏名をホームページに掲載する約束であったが,それだけではあまりに気がなさ過ぎる.講演の数日前に,第1回の地方自治制度に関する研究会の席に現れた猪瀬副知事が疲れ切った表情で,都職員1000人のボランティアで緑の東京募金街頭キャンペーンをしようとしたらいつの間にか手当てが支給される話にすり替わっていた,と憤慨していた姿を見ていただけに,ちぐはぐぶりが気になった.そこで,上記のような〝注文〟と相成ったのである.

しかし,猪瀬副知事と都庁の〝衝突〟劇にも助けられて街頭キャンペーンはメディアに多く取り上げられたが,私の確認できた限りでは,残念ながら贈呈式の方はベタ記事扱い.いっそ,緑色のチョコを配って話題をさらってもよかったであろうが,そこまでのセンスと器量を求めるのは酷であろうか(それに,緑色のチョコの代金の方が募金額より多いとマスコミに叩かれかねないし).

ただ,それ以前の話としては,例えば,環境局のホームページ(緑の東京募金ホームページ)を見ると,事業に充てるために募金をお願いしますという「説明調」.これで果たして都民の共感を呼ぶムーブメントになるのだろうか.一般に募金にありがちな,一事業として粛々と進めればいい(こういう場合,目標額には到達せず,仕方ないですねですまされがち)という発想であってはならないだろう.

確かに具体的な事業を挙げて募金を求めるのは,目標志向的で結構なことだ.しかし,目標額は3年間で8億円とされる.仮に目標に達したとすれば相当な大金ではある.しかし,空前の税収(5兆5千億円!)を挙げている都政のなかでいえば,募金に頼らなければならない金額では決してない.それをなぜあえて〝募金〟という手法をとるのか.

ふるさと納税で地方に回ってしまうぐらいであれば,この募金で都民の税金を取り込んでしまえ,ということではもちろんないだろう(制度からして別).

核心は,「緑の東京募金」を通じて,環境に対する都民ひとりひとりの意識を高め,そして,環境負荷は高いけれども,適切な手段を講じれば最も効果的な対策をとれる,大都市ならではの環境問題を提起していくことにあるからではないのか.

この問題をもう一歩踏み込んでいうと,自治体としての東京都が個別課題を都民とともに取り組むという,まさに〝自治力〟が問われているのである.こうした感覚を失うことなく都政を運営していくのでなければ,事業としての成功がおぼつかないどころか,自らの存在根拠を掘り崩しかねないことも肝に銘ずべきだろう.

現在都議会が開会中である.400億円の追加支援策の是非を含めた新銀行問題が中心的な争点として展開されるはず.大都市における自治の原点を見据えることなく,ホワイト・デーに一方的に甘いお返しの期待を抱かないことだ.

(c) Satoru Ohsugi, 2008

お知らせ:都議会ダイジェスト(代表質問)本日放送

本日,TOKYO MX都議会ダイジェスト「平成20年第1回定例会・代表質問」(13:00~16:00)が放送されます.司会は古賀久美子さん,私が解説をします.

代表質問の焦点は,都が新銀行東京への400億円の追加支援策を示したことで,知事の責任問題を含めた新銀行問題に終始したといってよいでしょう.

〝銀行議会〟にふさわしい徹底した審議がなされるか,是非注目したいものです.