毎年クリスマス・イブには映画『34丁目の軌跡』(1994年リメイク版)を見て感動を新たにするのですが,信じることとだまされることはある意味では紙一重.
内山節著『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(講談社現代新書,2007年)によると,キツネにだまされたという話が日本全国一斉になくなってしまうのが1965年頃,ちょうど,私が生まれたころの話ということになります.
人間と自然との関わりに関する示唆に富む論考(「日本の自然は一面では確かに豊かな自然であるけれど,他面ではその改造なしには安定した村も田畑も築けないやっかいな自然でもあったのである」など),「「私」をもっているのは人間の属性」であるがゆえの「「悲しい存在」が人間」という省察,に満ちた本書は是非お薦め.
で,現代のわれわれはだまされなくなったのか?・・・
それではこれから旅に出ます.