2010年1月17日日曜日

法曹登用を契機に自治体行政を解剖する

昨日(1/16)弁護士会館にてシンポジウム「地方行政においてきたされる法曹の役割」が開催されました(以前紹介のこちらを参照).

基調講演には塩野宏東京大学名誉教授をお招きし「地方行政の活性化に果たす法曹の役割」についてお話いただきました.地方行政の活性化と自治体の法化現象を踏まえ,法曹の在り方について極めてわかりやすく論点を整理していただき,貴重なサジェスチョンをいただきました.お話に大変感銘を受けました.

私がコーディネータを勤めた後半部は,須田先生,幸田さん,西尾先生といった研究会メンバーからの報告に加えて,ゲストのパネリストとして越智先生にご報告とコメントをいただき,コーディネータのいたらぬ進行をカバーするに余りある有益なご意見をいただきました.

最後に総括のかたちで,行政実務家であり,弁護士であり,市長でもある野田銚子市長より実例を交えたコメントをいただきましたが,今後このテーマを考えるうえで非常に刺激的なものでした.眼からうろこといっても大げさではない,新たな視点からの検討をご教授いただけました.

ご協力いただきました皆様,それからなんといってもご来場いただいた多数の皆様(なんと80名あまり!),誠にありがとうございました.

さて,そうしたなかで,行政学者の立場からすれば,法曹登用の是非やその手法についてはまだまだ議論を尽くすべきとしても,自治体の行政そのものはもっとさまざまな切り口から考えていけるのでは,という手ごたえを感じました.塩野先生のご指摘にもありましたが,法化現象を踏まえた議論は,これまでの自治体法務,政策法務論には,もっと広げて考えていく余地を残しているのかなという印象も残りました.

それから,ゼミ生をアルバイトに動員しての総力戦となりましたが,いろいろな方からご配慮をいただき,彼らにもいい経験だったのではと勝手に考えております(どうかな?).

改めて御礼申し上げます.