2008年8月29日金曜日

インハウスローヤー in ローカル・ガバメントへ

今日は自治体研究者にとって,〝外側〟からのとても刺激的なお話を伺いました.

日本組織内弁護士協会理事長の梅田康宏さん(NHK発の企業内弁護士),GEコンシューマー・ファイナンスのシニア・リーガル・カウンセル(弁護士)の本間正浩さんを「地方行政における法曹の役割に関する研究会」にお招きして,企業内弁護士についてご講演賜りました.

国内企業と外資企業とでインハウスローヤーに対する捉え方に違いがあること,弁護士業務=訴訟業務という範疇を超えて組織内での課題の掘り起こし,問題発見の能力が重要であること,弁護士としてのスキルはもちろんのこととして問われるのは人間力という点など,通常の弁護士業務にさえ疎い私には目からうろこのインハウスローヤーの実態を教えていただきました.

自治体経営改革が進展し,地方分権が推進されるなか,自治体業務についてこれまであまりにも法的な観点が無自覚に過ぎてきたのではないかとおもわれることがしばしば.法曹者を正規職員として迎えるのか,任期付制度を活用すべきなのか,それとも外部の法曹者を活用するのか,あるいは,自治体職員の法務能力を飛躍的に高めるべきなのか,オプションは様々.いずれにせよ自治体における法曹者のあり方をきちんと考える局面にあるでしょうね.この論点は,法曹人口のコントロールの問題とは切り離し,自治体行政のあるべき姿から考えなければなりませんね.

お二人の長時間にわたる熱弁をここで紹介しきれないのが残念ですが,本日のお話は示唆に富む論点が山盛りでした.まだまだ手探りで研究を進めているのが現状ですが,この研究成果はきちんと取りまとめて行きたいと考えております.乞うご期待.