2008年9月8日月曜日

Back to DC:ワシントン便り(Day5)~日曜午前の散策

台風一過(正確には熱帯暴風雨一過だけど),雲ひとつない青空,冷気を帯びた心地よい風,雨に洗われて輝く緑,文字通りすがすがしい朝.短期滞在ゆえに日曜日だからと言ってのんびりしていられないのですがが,昨日はホテルに缶詰めで,思いがけず整理業務をこなせたので,気分転換にタイダルベイスンにまで早朝の散歩の足を延ばしてみました.

早朝とあって,街中は車の往来を除けば閑散.ところが,ワシントン記念塔やリフレクティング・プール周辺,そしてタイダルベイスン湖畔(?)は,観光客こそまだほとんど出足はないものの,ジョギング中のランナーで賑わい.こんな絶好のコースがあれば,走りたくなるでしょうね.

かつて単身でワシントン滞在時の日曜日のささやかな楽しみといえば,ナショナル・ギャラリーをほっつき歩き,膨大な作品をその時々の関心で鑑賞しつつ,合間合間にNYタイムズやワシントン・ポスト紙の日曜版を読みながら休憩するといった過ごし方.

今回も,重い両紙をリュックに背負ってとぼとば歩いてはベンチで休息をとり,これだけは再度見ておこうと,ナショナル・ギャラリーに赴き,フェルメールの4点(うち1点はフェルメール作と推定)に絞って鑑賞.同じ17世紀オランダ・フランドル室にあるヴァン・ダイク,レンブラント,リューベンスなどの大作とは対照的に,いずれも小ぶりな作品.繭に包まれたような柔らかな筆致が特徴的ですが,光の輝きには意外と大胆に白色の点を置いていたりもするのです.間近で見られるの良いですね.上野で開催中のフェルメール展ではこんなわけにはいかないでしょうね.

フェルメールをはじめ〝巨匠〟の絵画の前には,カメラを構えた日本人観光客が申し合わせたように,『地球の歩き方』を携えているのですよね.8年前,確か公文書館の荷物チェックを受けた時に,なぜ日本人はみなこの本を持っているのだと聞かれたことがありましたっけ.

ともあれ,午前中だけでも結構な距離の散歩で,ちょっと気の重い仕事に午後踏み切るいい気分転換となりました.

(写真)タイダル・ベイスンのほとりの散策路.タイダルベイスンというだけあって,海洋からポトマック河を経て潮の満ち引きがあるのが,打ち上げられた芥からもわかります.